第5回



−冬の庭−

 
 今年も八幡製鉄起業祭が行われました。
あれから十七年前のことになります。
みぞれまじりの冷たい日のお昼すぎ、中央町にあるお役所のふもとに植木市の旗がピューピュー音をたてさらされていました。その一隅にポンと置かれている細く小さな木、かろうじて紫色の実がいくつか残っていました。

何気なく買って帰った日でした。

 それから今では、毎年晩秋になると必ず紫式部という名の実をつけてみごとに訪れてくれます。あの厳しい冬が懐かしくさえ思います。
 今、世界中が地球温暖化で異常気象と叫ばれています現象の配慮に座していますところ室生 犀星「冬の庭」の一節に心触れるものを思いました。それは「晩秋に冬の庭の手入れを充分しておかなければならない。この手入れをしておけば冬中そのままにしておいてもかまわない。冬の庭木の根元をみると静かな気持ちになる。しっかりと、土の中に埋め込まれて、しんとしながら穏やかさをもっているからである。草木も枝や葉のみをみないで根元から二、三寸離れたところをみる。そうゆう見方もあるということに、きづいてほしい。冬になるので暖かく対策をするというのは俗説である。どんなに厳格すぎてもかまわない、思いやり優しさが土の庭としての品ときびしさの幅を含んで来れる  」。


 私は人間の生き方、自然の流れいわゆる時間という呼吸を大切に見つめること。
路の共通性に導びいてもらった一節でした。
人は自然とどう付き合うかでなく、自然に同化することを考えねばならないと言った塩川 正十郎(現、東洋大学々長、元政治家)に共鳴します。

平成十九年十一月二十八日
大畠 清江

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