第10回  「冬季の呼吸器感染症の対策をしましょう」

インフルエンザ
インフルエンザシーズンに、インフルエンザ流行に関連する肺炎死亡数は人口10万人あたり10人を越え、そのほとんどが65歳以上の高齢者です。また、インフルエンザ脳炎で死亡した子供は、年間200人に達します。このことからも、インフルエンザにかからないように予防することが大切です。
インフルエンザに対する予防方法として世界的に認められているものは、インフルエンザワクチンです。ワクチン接種で、発病を完全に予防することはできませんが、高熱などの症状を軽くし、合併症による入院や死亡を減らす効果があります。特に65歳以上の高齢者や気管支喘息、慢性心不全、糖尿病などの基礎疾患を有する方はインフルエンザが重症化しやすいので、ワクチン接種が勧められています。
肺炎
最近、特に高齢者の間で肺炎による死亡率が上昇しています。肺炎は、抗生物質の発達などにより減少しつつありました。しかし、薬剤耐性菌や一層の高齢化などの問題から、事前に予防することの重要性が見直されてきています。
インフルエンザの予防にワクチンが接種されるように、肺炎の原因菌の中で最も重要な位置を占めている肺炎球菌に対するワクチンが接種できるようになっています。肺炎のすべてを予防できるわけではありませんが、有効性の確立した予防方法です。
このワクチン接種は、保険適応外ですので、約1万円の負担が必要です。しかし、1回の接種で約5年間効果が続きます。肺炎を予防するためには日頃からうがいや手を洗うなど基本的なことを励行する、また、日光浴、散歩などの適度な運動のほか、身体を清潔に保つことも大切です。
新型インフルエンザ(鳥インフルエンザ)
「新型インフルエンザウイルスがヒトの世界で広範かつ急速に、ヒトからヒトへと感染して広がり、世界的に大流行している状態」をインフルエンザ・パンデミックと言います。今後、新型インフルエンザによるパンデミックが発生した場合には、日本でも最大64万人程度の死者が出る可能性があると試算されており(厚生労働省「新型インフルエンザ対策行動計画」平成17年11月)、この影響を受けやすいのは高齢者や子供であると予測されています。最近、インドネシアを中心に東南アジアで発生しているH5N1亜型の鳥インフルエンザウイルスが、徐々にヒト社会に侵入しつつあり、新型インフルエンザとなることが懸念されています。
現時点で、世界はパンデミック第3段階(新しい亜型ウイルスにより感染して症状があるヒトの患者がいるが、効率よく、持続した伝播はヒトの間にはみられていない)という状況です。従来のワクチンは、新型インフルエンザに対して効果がほとんど期待できないため、ワクチンの開発がすすんでいるところです。自然災害とも言えるこの病気については、事前に正しい知識を備えておく事が最も重要です。自治体によるパンデミックプランについては、福岡県の場合、http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/pandemic-who.htmlから確認できます。


            

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